WordPressはどんなレンタルサーバーやVPS・クラウドの環境でも動くというわけではなく、動作するための環境を用意する必要がある。
推奨される環境も設定されており、WordPressの本体やプラグイン・テーマはこの推奨環境で動作することを目指して作成・メンテナンスされているのである。
レンタルサーバーではこの推奨環境を満たすサービスを選ばなくてはならないし、VPSやクラウドは推奨環境になるように自分で構築しなくてはならない。
最初に結論
WordPressが安定して利用できるには推奨環境を常に維持できる体制をとる必要がある。
推奨環境はアップデートや技術の進歩によって変化していくため、変化することを前提として運用計画を作っておくことが重要だ。
WordPressの推奨環境とは
WordPress公式のドキュメントに要件ページが用意されている。
推奨要件はここに書いてあるとおり。
2021年12月8日現在だと、以下のようになる。
PHP 7.4 以上
https://ja.wordpress.org/about/requirements/
MySQL 5.6 以上、または MariaDB 10.1 以上
Nginx または mod_rewrite モジュールありの Apache
HTTPS 対応
WordPressは後方互換性も重要視されているため、すべてこの条件に当てはめないと動作しないというわけではないが、できる限りこの要件に近づけるのがいいだろう。
推奨要件が変わる理由
PHPだけを見ても要件はどんどん変わっていく。これは、PHP側にもサポートがあり、セキュリティやバグなどに対応する期限が定められているためだ。
ちなみに2021年12月8日現在の推奨要件のPHP7.4系は2022年11月28日にサポートが終了する。あと1年ほどでサポートがなくなるのだ。
以下にPHP公式ドキュメントにあるサポートバージョン情報を記載する。
バージョン | Active Support | Security Support |
---|---|---|
7.4 | 2021年11月28日 | 2022年11月28日 |
8.0 | 2022年11月26日 | 2023年11月26日 |
8.1 | 2023年11月25日 | 2024年11月25日 |
これを見る限り、1年ごとにバージョンがどんどん移り変わっていくのがわかる。
もちろんこの変遷にあわせてWordPressの推奨環境も変化していくのである。サーバー側もこの変化に対応していかなければならない。
安定した環境を届けるために
推奨環境を維持することがWordPressの安定につながる。ただ、維持するために変えなくてはならない部分も多い。
PHPのバージョンアップができること、それに伴って修正しなければならない箇所が出てきたときに対応ができること、場合によってはプラグインを変更したり、テーマを変えたりすることの判断ができること、これらが必要になってくる。
重要なのは運用者にとって安定していることであり、制作・構築側が変化に対応していくことは必須事項であると弊社は考えている。
そのために情報の収集や知識のアップデートは積極的におこなうよう心がけている。
また、サーバーに関しても信用のできるサービスを提案し、管理・保守も任せてもらうことで、なにか不具合が起こってもできるだけ早急な対応ができるような体制を整えている。
まとめ
WordPressの運用は追加している機能が多ければ多いほど、テーマが複雑であればあるほど難しいものになっている。
WordPressのWebサイトを利用して企業としての信頼やサービスの情報発信、直接のマネタイズなどを行いたいという場合、安定した環境を維持することが重要になってくる。
これには専門の知識が必要になるため、通常の業務の片手間ではなかなか対応しきれないだろう。
もう手に負えないと感じたそんなときにプロの手を頼ってほしい。