WordPressでWeb制作をおこなう際に必要不可欠なのが「テーマ」である。ブロックエディタがデフォルトになって以降、テーマの考え方も変化してきた。
Web制作会社としてもこの変化にあわせて、手法を変えていく必要があることは当然である。
そんな中で弊社が「なぜWeb制作のベーステーマとして『Snow Monkey 』を採用しているのか」を紹介する。
この投稿は「Snow Monkey Advent Calendar 2021」の9日目の記事でもある。他にも『Snow Monkey』に関するあれこれが読めるので、興味があるものから読んでいってほしい。
最初に結論
『Snow Monkey』はそのまま利用しても、カスタマイズ用のテーマとして利用しても、申し分ない設計になっている。
肥大化するWordPressでのWeb制作の工数を一気に下げてくれるものであり、これは制作側としてもクライアント側としても非常にありがたいものである。
また、情報発信も続けていてくれるため、メンテナンスの際にも非常にありがたいと言う部分もある。
これだけしかできないというのは危険だが、Web制作をおこなっていく上で1つの選択肢に取り入れておくのは有用だろう。
Web制作におけるWordPressテーマとは
WordPressにおいてテーマはWebサイトの土台となる部分であり、基本的な挙動(レスポンシブやメニューなど)を司っている部分である。
このテーマを利用してWebサイトを組み上げていくのがWordPressにおけるWeb制作というわけなのである。
Web制作においてWordPressテーマをどう扱うのか、大きく分けて2つの考え方がある。
「オリジナルテーマ」を作成するか「既存テーマ」を利用するかである。
オリジナルテーマ
オリジナルテーマは完全にオリジナルで好きなデザイン好きな挙動をテーマとして作り込むことができるため、「デザインにテーマをあわせること」がやりやすいのである。
ただ、その分WordPressでできることを把握していないと、クライアント・ユーザーが運用している際にほころびが出ることが多い。
特にブロックエディタへの対応はかなり大変で、ブロックが追加されたり表示崩れを起こしたりとアップデートのたびに、なにか機能を追加するたびに、テーマの修正をし続けなくてはならないのである。
また、「Classic Editor」はフェードアウトしていくものであると認識しているので、そもそも選択肢にはないため、現状、オリジナルテーマでの作成は工数も大きくかかってしまうため弊社ではおすすめしていない。
既存テーマ
すでに完成されているテーマを利用するため、基本的な挙動はテーマに依存する。「テーマにデザインをあわせる」必要が出てくるのである。
この場合、ブロックエディタやWordPressの基本的な機能に関してはテーマ側が補完してくれるため、制作側の修正工数は少なくて済む。運用面で非常にメリットがあるのだ。
また、カスタマイズに関しても、子テーマを利用しなくてもデザインを整えられるようになっているものもあり、サイトごとにデザインを変えていくことに関しても、テーマごとにお作法を覚えなくてはならないものの、大きな問題はない。
もちろんこのようなことを前提として作成・運用されているテーマが必要なのだが、それが弊社でも採用している『Snow Monkey』なのである。
『Snow Monkey』を採用する理由
そもそも『Snow Monkey』とはなにかというと、日本人作者の100%GPLのWordPress有料テーマであり、そのままでの利用だけでなくカスタマイズすることも考慮して作成されているものである。
これを採用している理由をいくつかあげてこうと思う。
日本人作者である
WordPressの公式ディレクトリに登録されている多くのテーマは英語圏で作成されたものであり、日本語などのマルチバイト文字は考慮されていないものが多い。
そのため、日本語で作成していくと文字が大きすぎたりバランスが悪くなってしまったりと、非常に使いにくい。
『Snow Monkey』の作者は日本人であり、法人にもなっている。
日本語を前提として作成されているため、日本語であることを考えずに作成していけるのである。
また、フォーラムやSlackなども活用されていて、なにか問題があっても日本語でコミュニケーションが取れるのだ。日本人にとってこれは大きなアドバンテージと言えるだろう。
デフォルトでかなり変化をもたせることができる
ヘッダーやフッターの要素の位置や各ページのカラム構成など、カスタマイズできる部分がデフォルトで用意されている。
これらを組み合わせることで、一見違うデザインにしていくことができるのである。
これは特に予算が少ないような案件の場合、非常に心強い。
組み替えて、ロゴや色を整えて、トップページをブロックエディタで構成すれば、クライアントにとって十分なWebサイトが完成するのである。
ブロックに関しても『Snow Monkey Blocks』というプラグインを入れ拡張することで、より柔軟にページの構成をすることができるのだ。
カスタマイズがしやすい
『Snow Monkey』にはデザインスキンという機能がついている。
これは、従来の子テーマと同じような役割で、テーマのデザインを調整するために利用することができるのだ。
CSSで調整しなければならない部分が多いような場合、カスタマイザーで管理するのは現実的ではない。そんなときにデザインスキンとしてプラグインを作成しそれを読み込ませることができるようになっている。
また、テーマ独自のフックも用意されているため、要素を消したり追加したり処理を挟んだりするようなことも可能だ。
PHPとWordPressの知識があれば、よりスマートな実装が可能になる。
アップデート対応がしっかりしている
WordPressのアップデートに伴い、変化した部分や追加された部分への対応を逐一おこなってくれている。
対応が間に合わないという場合もその旨を発信してくれているため、メンテナンス側としては対応を取りやすいというのも大きなメリットである。
また、デザインスキンを使うことで従来の子テーマにあった「親テーマの更新が子テーマに反映されない問題」が起こらないため、WordPressの新しい機能や関数なども反映されるのである。
まとめ
大事なことは、運用時にクライアントがWordPressの恩恵をできるだけ多く受けられるようにすることであり、そのためのテーマなのであるということを理解しておくことだ。
弊社はその部分を重要視して制作・運用をおこなっている。
もちろん『Snow Monkey』だけを採用しているわけではない。他にも『Lightning』や公式ディレクトリに登録されてるものを利用することもある。
『Snow Monkey』やその他のテーマを最大限に活用できるよう、WordPressの基本的な部分も踏まえてWeb制作をおこなうことが弊社の基本方針である。